帰ってきたよ、サンタさん|クリスマスとサンタクロース

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「クリスマスって何のこと?」、保育園礼拝の時に3才児に聞いた。即座に「サンタさん!」と次々に声が上がる。サンタクロースへの思いが強い彼らに向かって、私はこう告げる、「残念だけど、それはバツ!」子どもたちの表情が瞬時に固まり、沈黙が支配する。私は更に言葉を続ける、「クリスマスはイエス様のお誕生のお話で、サンタさんは聖書には出てきません。でもネ、イエス様は全ての人のためにお生まれになった『神様からのプレゼント』です。サンタさんもみんなにプレゼントしながら、神様のことを伝えるお手伝いをしてくれているのです。だからクリスマスにサンタさんは必要ですし、もちろん、先生も大好きです。」固まったままでいた子どもたちに、やっと笑顔が戻った。「イジワルな牧師先生だなぁ」と子どもたちには思われたかもしれない、「ゴメンね、脅かして」と私は心の中で謝った。

大好きだからこそ、会堂の窓に等身大のサンタクロースを飾ってきたが、昨年ついに引退。皆様にもそのことをご報告したのだが、その後どうするか迷っていた。くたびれたサンタクロースを見るのも忍びないし、かといってゴミとして捨てるのは切ない。逡巡した気持ちでいた時、A施設にボランティアできてくださっている「包丁研ぎ」の方が、「オモチャのドクター」でもあることを教えてもらった。直してもらえる可能性が出てきたのだが、会堂二階に飾るには屋根に上らなければならない。「命がけ」で飾ってくれる方の了解を得なければ、修理をしても無駄になる。「直ったら飾ってくれる?」と聞いたか「直ったら飾ってくれるよネ!」と聞いたかは定かでないが、了承を得て修理してもらった。衣装はくたびれたままだが、本体はしっかり直してもらい、満を持して今年再デビュー。掲示板には「サンタクロースは帰ってきました。皆様の心の中にいる仲間のサンタクロースも、一緒に喜んでくれることでしょう。夢と希望を与えるために、また教会から皆様に声援を送ります。これまで同様、どうぞ宜しくお願いします。」と地域の皆様へご挨拶。クリスマスまで雨の日も風の日も、会堂窓から通りすがりの人々に「あなたがたのために救い主がお生まれになった」(ルカ2:11)と呼び掛けてくれることだろう。

そうそう5才児(年長児)にも「クリスマスは?」と問いかけたら、全員で「イエス様の誕生日」と答えてくれた。「降誕劇」練習の真っ最中の彼ら、いつまでもそのことを忘れないでほしいなぁ!

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