暑熱順化

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「ワンちゃんに健康を守ってもらってるんだね」と、犬の散歩中にご年配の方から何度声を掛けられたことか。確かに朝晩合計1時間半ほどの散歩は、健康保持には随分貢献してくれていたのだと思う。ところがコロナ禍が始まる頃、犬も弱ってしまい長い散歩をしなくなった。繰り返し要請される行動制限を理由に、私自身も無理して遠くまで散歩することはないと思っていたかもしれない。そして昨年夏、16歳半の生涯を犬が閉じた後は、買い物と施設の礼拝・集会に出かける以外は自宅での自粛生活、行動制限が除かれた今、「犬に守られていない健康は大丈夫なのか」と自問し始めている。

そんな折、「暑熱順化」という言葉を聞いた。体は暑さに慣れる必要があるということだが、今まで気にしたこともなかった。人間(私)の体は何もしなくても季節に対応できるようになっていると思い込んでいたからかもしれない。実際はそうではなかった。寒い日々汗をかかずに体温を貯めることを優先していた体を、汗をかいて体温を出す体にすることは、年を取ると容易にそれが出来る訳ではない。その私が何もしなくても出来ていたのが「犬の散歩」だったという訳だ。散歩しなくなって初めて迎える今年の夏、暑熱順化で熱中症を予防するために何かをしなければと思い始めている。「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線 東京5月中旬 このタイミングから暑熱順化をするための動きや生活を開始しましょう」(HP:PR TIMESより)という記事を目にして、今年は意識して暑さに慣れる体づくりをしなければなるまい。「やや暑い環境で、ややキツいと感じる運動を行う」(HP:あい訪問看護ステーションより)ということを意識するのが大事らしいので、楽しい夏を迎えるためにも暑熱順化して夏に備えたい。

ノアの時代、不従順な人間に対して大洪水を起こされた神は、箱舟から解放されたノア家族に対して契約のしるしとして虹を見せてくださった。その際、「水が洪水となって、肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない」(創世記9:16)と言われたが、人間が罪(神への不従順)無き者となった訳ではない。だからこそ人間は日常の中に起こる様々な「試練」を通して神への信頼を試され続けている。その意味では、「試練」とはまさに「信仰順化」ということであり、「いろいろな試練に悩まねばならないかもしれませんが、あなたがたの信仰は、その試練によって本物と証明され」(1ペトロ1:6〜7)と記されている通りである。試練のみならず失敗も不安もある私たちが、それもまた「信仰順化」の時と受け止められたら、きっと恵みにも出会えるはずだ。

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