心配のタネ|神が教えてくださる明日

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牧師館の直ぐ横にキウイ棚がある。目隠しにもなれば、真夏は日よけとして大いに働いてくれる。我が家に恩恵をもたらしてくれるキウイ棚には、四季を問わず様々な鳥がやってくる。農薬は散布したことがないので、恐らく沢山の害虫が発生し、それをめがけて野鳥がやってくるのだろう。私にすればまさに「一石二鳥」、居ながらにして野鳥を観察できるし、害虫を駆除してくれるからだ。だからという訳ではないが先日、彼らのために「餌箱」を設置した。前々回に記載した施設の学童キャンプの折、子どもたちが木工体験を行った施設で購入してきたものだ。餌箱は「こんなものも作製できますよ」とモデル用に置いてあったのだが、キウイ棚に寄ってくる鳥たちのことが直ぐに頭に浮かび、彼らに感謝の意を込めて餌箱を置いてあげようと思い立ったからだ。

試行錯誤すること数日、少し傾きも出来てしまったが、餌と水を入れて設置完了。酷暑の精もあって最近はみない野鳥だが、その内にいつものようにやって来るだろう。今は来なくても水や餌は出来るだけ頻繁に入れ替えてあげないと・・・そういえば野良猫も多いから野鳥を狙いに来るかもしれないから何か対策を・・・と、まだ一羽も飛来していないのに、「来たら来たで、来なければ来なければで」と心配のタネが尽きない。餌箱は単に私に心配のタネを蒔いただけなのか!

「天使ミハイルは双子の赤ちゃんを産んだばかりの女性の魂を天に召すことを躊躇(ちゅうちょ)したために地上に降ろされる、『人間にあるもの、与えられていないもの、何によって生きているか』を知るために。裸でいるところを靴屋に助けてもらい家に行く。女房は汚らしい彼を見て毒づくが、食べ物を与え住まわせてくれた。人には愛があることを知る。靴職人になったある日、金持ちが立派な靴を注文するが、彼はスリッパを作る、翌日死ぬことが分かっていたからだ。人間は今の自分に何が本当に必要なのかを知る力が与えられていない事を知る。別の日、双子を連れた女性が靴を注文しにくる。ミハイルが魂を天に召した女性の子どもであることが分かった。そして人間は愛によって生きることを知る。」(トルストイ民話「人は何によって生きるか」より)明日のことすら分からない私たちに心配のタネは尽きない。だが神はおしゃってくださっている、「天の父は必要なことをご存じである。明日のことまで思い悩まず、先ず神の国と神の義を求めなさい」(マタイ6:32~34要約)と。その日に為すべきことに真摯(しんし)に向き合うこと、明日為すべき事は神が教えてくださると委ねて生きることに徹しよう。

明日、鳥たちが飛来するかどうか、これもまた神様にお委ねするとしよう!

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