9 適度のストレスは成長の源

Q 私は,今子育てのまっ最中です。でも、子どもを取り巻く環境は、これをしては危ない、あれも駄目と規制だらけです。自由に子どもを遊ばせたいと思っても、ついつい、子どもの安全面に気を取られて、少しでも危ないと思うとついつい子どもを手許に引き寄せてしまいます。もっと伸び伸び子どもを育てたいと思っているのですが、どんな心がけが必要なのでしょうか。

A これから申し上げることは、どちらかといえば、お父さんの子育て役割になるかもしれません。ある人から、草花や虫の名前をよく知っている子どもは非行に走らないという話を聞いたことがあります。草花や虫の名前をよく知っているとは植物図鑑や動物図鑑を調べて、よく名前を覚えたというのではなくて、山野を走り回って自然に草や花、そして虫の名前を覚えてということなのです。山野を走り回るということは自然にゆったり親しむといったことではなくて、危険とも差し向かうということでもあるのです。自然のなかには危険が潜んでいます。木登りをすれば、枝が折れるかもしれません。野原を走れば、手足にススキの葉でひっかき傷をつけるかもしれませんし、泥だらけになることだってあるでしょう。痛さを感じ、傷を負うことで、わが身を優しくいたわる気持ちが自然に湧いてくるでしょうし、辛いことに耐える力も自ずと養うのです。
そうなれば、気持ちに任せて無茶をすることもなくなり、してよいこととしてはいけないことの分別がつくというものです。痛さや傷はストレスにほかなりません。どちらかといえば、避けたいのが本音でしょう。でもそのストレスを経験することで、してはいけないこと、また我が身を守る心根も身に付くことになります。
こうした体験を幼少期にしておくことは、将来、社会に出て、人中で揉まれる時に経験するストレスに対抗する力になります。この力を養うために、お父さんは忙しいでしょうが、時には子どもさんを山野に連れ出して、ワイルドな経験をさせてください。もちろん命に関わるような危険は避けなければなりませんが。

    以下の文章を完成させ、それについて考えてみましょう。

    1 私が幼少期に経験した自然は

    2 その時、自然は私に

    3 私(ひとりで、または家族で)これからできることは

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